判決及びその後にみる管理・監督者について
【1】 ある店長の提起した裁判の判決のポイント
東京地方裁判所で平成20年1月、大手ファーストフード店の店長が提起していた裁判で、
提訴した店長は管理職にあたらないとして、会社に対して残業代や付加金など2年分約
750万円を支払うよう判決が出された。
最近の管理職の定義の骨子は、
「経営者と一体的立場であり、一定の権限や手当てなどが支払われていること」
とされ、今回の判決は定義に反しているとしたものでした。
判決の骨子は、主に次のものと考えます。
(1) 権限は店の中に限定され、経営者と一体的立場といえない
(2) 給与面でも、役職手当が低く総額も一般社員より低い場合もある
(3) 勤務も自由な裁量は無く、長時間労働が常態化していた
【2】 判決後の動き
この判決後にさまざまな会社が、「従来の管理監督者について残業代を支払う方針に転換した」。とする報道がなされています。これは、2年目の社員を店長に就任させていたり、その他会社の実態が以前から問題点を指摘されていた会社が多くみられ、表面化する前に改善したようです。
【3】 自社の確認の必要性
しかし、この問題は拡大する一方ですので、現在の課長や部長、所長など、自社で管理・監督者にしている方々の業務内容や給与など、現状を調査・確認し、場合によっては条件の見直しが必要と考えます。
【4】 必要と考えられる対応について
管理監督者については、それぞれの会社の実態に即した対応が重要であり、一律に対応法を述べることは困難です。
しかし、判決で指摘された問題点を最低限度解決しなければ否定される可能性が大きく、会社として管理監督者とする根拠が無い状態となります。
そこで、
(1) 管理監督者が経営的な会議に参加するなど経営への参画の機会を提供する
(2) 潤沢な管理監督者手当の支給
(3) 短期的な勤怠の控除廃止や自由裁量の勤務の実施
などにより、管理・監督者と認められる可能性を高めることが最低限度必要ではないかと考えます。
勿論、これだけでは十分とはいえませんが、御社にあった管理・監督者のパターンを作成することが必要と考えます。